芸能・タレント向け 精神科診療の座組
ご相談用の資料

2026年8月26日|株式会社モカ 代表取締役 岡崎耕平

はじめに ── これは決まった話ではありません

まだ何も決まっていない段階のご相談です。実現できるかどうかを含めて率直なご意見をいただきたく、現時点で考えていることをまとめました。条件をお持ちしたわけではありませんし、この通りにやりたいという話でもありません。「そもそも成立するのか」からご意見をいただければ幸いです。

SECTION 1やろうとしていること

芸能事務所に所属するタレントが、周囲に知られずに精神科の継続診療を受けられる状態を作りたいと考えています。

発端は、弊社の所属クリエイターが必要な受診をできず、通常のフローの外側で対応せざるを得なかったことです。芸能の現場では「病院に行ったことが知られる」こと自体が仕事に影響するため、不調を抱えたまま受診が遅れるという構造があります。業界全体で同じことが起きていると考えています。

弊社はインフルエンサー・タレントのマネジメントを本業とする会社で、医療には一切関与しません。やろうとしているのは「知られずに受診できる状態」をつくる段取りの部分だけです。

SECTION 2座組 ── 3つのレイヤーに分ける

「誰が何の責任を持つか」で切ると、こうなります。レイヤーをまたいで責任を持つ人を作らないのが設計の要点です。

LAYER 1 ── 医療

提携医療機関 / 診療・処方・急変時対応

  • 診断、処方、カルテ管理、オンライン診療の都道府県届出、医師の研修受講
  • 急変時(希死念慮・自傷)の一次対応 ← ここは絶対に医療機関側に置きたい部分です
  • 診療費は患者さんから医療機関へ直接。弊社は1円も通しません
▼ 処方箋
LAYER 2 ── 調剤・配送

薬局 / 服薬指導・調剤・匿名配送

  • 薬剤師によるオンライン服薬指導(法定要件)、調剤、配送
  • 配送の匿名性設計:個人名・無地梱包・時間/場所指定・事務所やスタジオ宛にしない
  • 薬剤費も患者さんから薬局へ直接。ここも弊社を通しません
▼ 全体の段取り
LAYER 3 ── 弊社の担当範囲

モカ / 秘匿設計・窓口一本化・導線設計

  • 秘匿性の設計と維持:名義・予約・配送先の分離ルールを作り、運用する
  • 対面初診の導線設計:知られずに受診してもらうための段取り(後述)
  • 窓口の一本化:マネージャーが「どこに連絡すればいいか」を考えなくていい状態を作る
  • 事務所との契約主体:秘密保持と責任分界を契約で確定させる

全体フロー ── 契約の線と医療の線は交わらない

この図の要点は2本のレーンが分離していることです。上(契約と金)は弊社が責任を持ち、下(医療)に弊社は一切入りません。2つのレーンが接するのは「取次」の一点だけで、そこを通るのは通名と連絡先だけです。

契約・金のレーン ── モカが責任を持つ 医療のレーン ── モカは一切触れない 所属事務所 契約主体・支払い元 モカ 窓口・秘匿設計・導線 年間契約 年間固定 枠確保料 定額・非連動 提携医療機関 = 先生にお願いしたい部分 診断・処方・カルテ オンライン診療の届出 24h 緊急時対応 両レーンに立つ唯一の存在 座組の中心 取次 通名と連絡先だけ タレント本人 =患者 薬局 オンライン服薬指導が可能な薬局 診療 初診=対面(時間外・別動線)/再診=オンライン 診療費 ── モカの口座を通らない 処方箋 オンライン服薬指導 + 匿名配送 個人名・無地梱包・時間/場所指定 薬剤費 ── モカの口座を通らない

SECTION 3なぜ初診は対面なのか

睡眠薬・抗不安薬の多くが向精神薬指定でオンライン初診では処方できず、30日処方制限もあります。精神科の初診をオンラインだけで完結させるのは実務上むずかしい、という前提で考えています。

つまり初診は対面。ここが導線として一番むずかしく、だからこそ弊社がやるべき部分だと考えています。

  1. 受付(モカ) 事務所または本人から弊社の専用窓口へ。この時点で通名を発行し、弊社側の記録は通名のみになります。何の相談かは弊社は聞きません。
  2. 初診=対面(医療機関 × モカで導線設計) 時間外・別室・別動線・スタッフ最小構成で対面初診を組みます。「知られずに病院に行かせる」設計は芸能マネジメントの技術そのもので、ここは弊社の仕事です。必要なら地方・自宅近隣・往診まで含めて選択肢を作ります。
  3. 継続=オンライン(医療機関) 2回目以降はオンライン診療。再診であれば向精神薬の継続処方も可能で、移動ゼロ・顔出しなし・スケジュールに合わせられる。ここが継続的に回る部分になります。
  4. 服薬指導・配送(薬局) オンライン服薬指導のうえ、匿名梱包で配送。宛先・時間・場所は弊社が本人の稼働に合わせて調整します。
  5. 緊急時(医療機関) 急変・希死念慮は医療機関の体制に直結させます。弊社は受け渡すだけで、判断も対応もしません。

保険か自費かについて

これは先生と患者さんが決めることで、弊社から指定するつもりはありません。ただ、保険診療だと健保組合にレセプト(傷病名つき)が流れる経路が構造的に存在するため、結果として自費を選ばれる方が多くなるだろう、とは想定しています。

SECTION 4弊社が持たない情報

この座組で一番気をつけているのが情報です。弊社が他社タレントの病歴を握っている、という構図を絶対に作らないようにしています。

情報医療機関薬局モカ事務所
実名・本人特定○ 必須○ 必須×
診断名・病状△ 必要範囲××
処方内容××
受診したという事実△ 枠の消化状況のみ△ 事務所の運用次第

弊社が扱うのは通名・連絡窓口・予約枠の消化数・配送の到達確認だけで、それ以外は一切持ちません。これは契約書にも明記するつもりです。

「死にたい」という連絡が弊社の窓口に来たときの手順は、先に決めさせてください

弊社は判断しません。即座に医療機関側へ渡し、記録だけを残す。この手順を運用開始前に決めておきたいと考えています。ここをあいまいにしたまま始めるのが一番危ないと思っています。

SECTION 5先生にお願いしたいこと

  1. 診療 対面初診とオンライン再診。人数は立ち上がり時点でごく少数(数名)を想定しています。
  2. 急変時の一次対応 精神科では最重要の部分で、ここは医療機関側に置くほかないと考えています。既存の体制にどう乗せられるかをご相談したいです。
  3. 時間外・別動線での対面初診に、可能な範囲で応じていただくこと 毎回ではなく、初診のタイミングに限った話です。頻度は月に数件を想定しています。

SECTION 6お支払いの考え方

お金誰から誰へ弊社を通るか
診療費患者さん → 医療機関通しません
薬剤費患者さん → 薬局通しません
枠確保料モカ → 医療機関定額でお支払いします

診療費は患者さんから直接お受け取りください。弊社の口座は通しません。それとは別に、枠確保料を定額でお支払いします。時間外枠の確保や連絡体制の待機など、診療していない時間に対する対価という位置づけです。

患者数には連動させません ── これは先生をお守りするためでもあります

「診た人数に応じてお支払い」という形にすると、医療機関側が「送られた患者数に応じた対価」を受け取っているという構図になり、先生側に不要なリスクが生じます。定額にすればこの論点は生じません。弊社の都合ではなく、先生をお守りするための設計としてご理解いただければと思います。

金額は、どのくらいのお時間を割いていただけるかをうかがってからご相談させてください。先に額を出して枠を決めてしまうより、そちらが順番として正しいと考えています。

SECTION 7うかがいたいこと

  1. 既存の当直・緊急連絡体制に、この仕組みを乗せられそうか 新たに体制を組んでいただく前提だと、立ち上げの負荷が一気に上がります。ここが一番おうかがいしたい点です。
  2. 時間外・別動線での対面初診を、どこまで組めそうか 地方や往診まで選択肢に入るかどうかも含めて。ここが弊社の商品価値の源泉なので、率直なところをうかがえると助かります。
  3. 週あたり、どのくらいお時間を割けそうか オンライン再診が中心で、それに月数件の対面初診が加わるイメージです。
  4. 精神保健指定医の先生はいらっしゃるか
  5. 芸能・タレント関係の相談は、実際に来ることがありますか 弊社の想定が的外れでないかを確かめたいので、現場の感覚をうかがえればと思います。

制度面について

2025年の医療法改正でオンライン診療が法制化され、2026年施行。指針の内容が医療法施行規則に組み込まれ、都道府県知事による是正命令・業務停止命令の対象になりました。管理者には届出義務と医師への研修受講義務が課され、保険診療だけでなく自由診療にも全面適用されます。この座組は正規のルートに乗せる前提で考えています。グレーな運用でやるつもりはありません。